Factory Visit
学生見学会
Factory Visit
学生見学会
開催日 2024年12月6日(金)
見学先 電力中央研研究所 横須賀地区 見学会
参加者 学生4名
引率者 佐藤准教授、吉田ATC
電力中央研究所 展示室にて
2024年度第7回の見学先は電力中央研究所、横須賀地区です。
横須賀地区には発電やエネルギー変換・貯蔵に関する研究・開発を行うエネルギートランスフォーメーション研究本部と電力ネットワークに関する研究・開発を行うグリッドイノベーション研究本部が設置されており、発電の脱炭素化、電化社会の実現、電力の安定供給を主要テーマに基礎から実用化に至る幅広い研究に取り組まれています。
はじめに電力中央研究所並びに横須賀地区の概要をご紹介いただいた後、大容量電力短絡試験設備、高電圧絶縁実験棟、ヒートポンプ研究開発実験棟、配電需給協調実験棟、アルカリ型水電解実験装置、固体高分子水電解実験装置を見学させていただきました。
超高圧から低圧、発電から需要まで、電力・エネルギー分野の喫緊の課題を短時間で俯瞰できる大変有意義な見学会となり、学生からは「企業とは異なる研究視野を持つ電中研だからこそできる研究」や、「様々な部分の検証によってより正確な理解を求める姿勢」が印象的、といった感想が聞かれました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった、電力中央研究所殿に深謝申し上げます。
開催日 2024年11月19日(火)
見学先 日立製作所殿
水戸事業所、大みか事業所、日立研究所
参加者 学生16名
引率者 藤井特任教授、佐藤准教授、吉田ATC
2024年度第6回の見学先は株式会社日立製作所殿、水戸事業所、大みか事業所、日立研究所です。
水戸事業所では、インバータとモータ実機の組合せ試験やデジタルシミュレーション環境、統合型信号保安システムを見学させていただきました。静かな環境で手順に沿って着実に試験が重ねられている様子が印象的でした。
大みか事業所では東京圏輸送管理システムの開発現場を見学させていただきました。システムは定期的に更新があるため、今後も導入の計画が絶え間なくあることを知りました。また網目のようなダイヤグラムで、不測の事態への対応も適切に速やかに行われることが分かりました。このようなシステムが無かった時代は如何に対処していたのか、当時のご担当者のご負担と現システムの恩恵は計り知れません。
また同所では、電力広域的運営推進機関で用いている基幹系統監視システムの開発、デバッグ、保守をされている部門でシステムや必要なサーバー等のリソースを、また電力系統のアナログシミュレーターを用いて制御装置等を現地納入前に機能確認する部門では、送電線1線地絡時の可変速用水発電所の制御の様子と諸量の測定結果を披露していただきました。いずれの部門も超重要インフラを支えているという気概を随所に感じることができました。
日立研究所では、電力機器、エネルギーマネジメント、医療機器、サーキュラーエコノミーなど幅の広い多くの研究開発の取り組みを紹介いただきました。
いずれの場所でも学生から活発に質問がなされ、見学後には、「私達の生活に欠かせない鉄道やエネルギーのシステムを、機械から電気、制御まで統合的に設計し構築している現場を目にすることができ貴重な経験だった。」、「実験棟などの見学を通し、研究機関での実験と企業での試験の違いを見られたのが興味深かった。」といった感想が聞かれるなど、非常に充実した見学会となりました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった株式会社日立製作所殿に深謝申し上げます。
開催日 2024年11月5日(火)
見学先 山梨県米倉山電力貯蔵技術研究サイト
参加者 学生10名、教職員6名
引率者 熊田教授、馬場教授、佐藤准教授、
岡部上席研究員、吉田ATC
2024年度第5回の見学先は東京電力ホールディングス殿が参画している山梨県米倉山電力貯蔵技術研究サイトです。
同サイトは、再生可能エネルギーの電力と水からつくるグリーン水素の製造・貯蔵・輸送・利用を一貫して社会実証する施設として設立され、現在、NEDOのグリーンイノベーション基金事業である、大規模P2G(パワー・ツー・ガス)システムによるエネルギー需要転換・利用技術開発などの拠点となっています。
今回の見学では、同所にある次世代エネルギーシステムの研究開発をサポートする山梨県営の入居型研究棟「次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジ」にて水素エネルギー活用の将来像や実証事業の目標について丁寧に説明頂いた後、「大型固体高分子型(PEM型)水電解装置(1,500kW:500kW×3列大型スタック)」や「水素吸蔵合金タンクシステム(3,500Nm3)」を間近で観察させていただきました。今後10倍の生産を目標とされているプロジェクトのスケールの大きさに改めて驚かされました。
また「水素技術センター」では、製造した水素ガスを需要先まで輸送・利用するため、水素をカードル(ガス容器を何本かまとめたもの)に充填する設備や水素スタンド、水素トレーラーについて、実物を前に説明いただきました。
併設しているメガソーラー(10MW)「米倉山太陽光発電所」についても概説いただき、その規模も大変印象的でした。
質疑応答も活発に行われ、「設置箇所をある程度選ぶ施設だと感じた。」「市区町村単位での安定的・持続的な運用システム構築としての面も、今後注目していきたい。」など、水素製造を起点とした新たな問題意識も芽生えたようです。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった東京電力ホールディングス殿に深謝申し上げます。
見学先① 住友電気工業 大阪製作所
開催日 2024年9月12日(木)PM
参加者 学生13名、教職員(引率者含む)5名
引率者 熊田教授、馬場教授、藤井特任教授、佐藤准教授、
梅本特任准教授、吉田ATC
2024年度第2回の見学先は住友電気工業、大阪製作所です。
同事業所は同社の中で最も古い歴史と伝統を持つ製作所で、電線・エネルギー関連製品やシステム製品の製造に加え、研究開発部門の拠点として新規事業も生み出しています。
事業の説明では、特に、欧州、インド、日本等の旺盛な大規模直流ケーブル需要へのカーボンニュートラルな製品の供給や、自動車向けワイヤーハーネス、光ファイバなど社会基盤を支える製品の供給が堅調であることが伺え、また子会社の日新電機とともに、エネルギーマネジメントや電力アグリゲータープラットフォームといった新しい事業にも積極的に取り組まれていることが分かりました。
ケーブル工場では、地上60メートル、地下50メートルの建物の高さを使ったスケールの大きいケーブルの製造工程を見せていただきました。ケーブルは1分間に1メートル生産され、随所に品質への配慮が感じられました。
解析技術研究センターでは、品質管理が厳重な同社の製品のみならず、依頼のあった他企業の試料も検査する体制が整っており、日本有数のスキャン機器などを見せていただくことができました。
また1980年代から開発、改良を続け、昨今の系統蓄電池の需要から引き合いが増えているレッドクスフロー電池について、海外への輸送に適したコンテナタイプの実物を見せていただきました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった住友電気工業殿に深謝申し上げます。
見学先② 三菱電機 伊丹製作所
開催日 2024年9月13日(金)AM
参加者 学生13名、教職員(引率者含む)8名
引率者 熊田教授、馬場教授、藤井特任教授、佐藤准教授、
梅本特任准教授、岡部上席研究員、吉田ATC
2024年度第3回の見学先は三菱電機、伊丹製作所です。
広大な敷地に圧倒されつつ、まず初めに訪れた開閉器組立試験工場では、超高圧、特別高圧のGIS、GCB、LAの組み立てが行われており、エアシャワーを通過後、クレーンを複数使ってのGIS組立作業の様子などを見せていただきました。
直流送電・周波数変換システムの検証施設では、設備容量50MWの実物の機器類が設置されており、耐震を含め様々な検証が行われているとのことでした。PRとしてもとても有効であろうことが想像できました。サブモジュールも展示されており、内部をくまなく確認させていただきました。
高電圧(インパルス電圧4,800kV、交流電圧1,500kV、直流電圧900kV)・大電力試験所(三相6,800MVA、単相3,400MVAまで)では希少な大型試験機器を見せていただくことができました。日本適合性認定協会に認定された試験所であり、ここで発行された成績書は国際間で通用すること、試験の受託やコンサルティングを行っていることも教えていただきました。
先端技術総合研究所では、新たな取り組みとして、「デジタルツインによるプラント運転支援技術」、「空中タッチディスプレイ」、「質感再現技術」などをデモ機を用いて説明いただきました。新たな価値創出の見本市のようであり、大いなる可能性を感じることができました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった三菱電機殿に深謝申し上げます。
見学先③ 関西電力 神崎変電所
開催日 2024年9月13日(金)PM
参加者 学生13名、教職員(引率者含む)8名
引率者 熊田教授、馬場教授、藤井特任教授、佐藤准教授、
梅本特任准教授、岡部上席研究員、吉田ATC
2024年度第4回の見学先は関西電力、神崎変電所です。
神崎変電所は特高供給も行う一次変電所であり、送電線事故時の安定性を維持するために静止型無効電力発生装置が設置されている、大変珍しい変電所です。
インバータ盤内部の自励式変換器や変換器用変圧器等、構成する機器をそれぞれ確認しながら機能などを丁寧に説明いただきました。結線図などでは簡潔な記号で表される設備にも多くの敷地が必要であることが改めて認識されました。
静止型無効電力発生装置のみならず、受電から送電まで、設備をたどってそれぞれ用途などを丁寧に説明いただき、文献でみる機器を体感することができました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった関西電力殿に深謝申し上げます。
開催日 2024年7月24日(水)
見学先 東日本旅客鉄道 川崎発電所
参加者 学生14名、教職員(引率者含む)8名
引率者 熊田教授、藤井特任教授、佐藤准教授、梅本特任准教授、吉田ATC
2024年度第1回の見学先は東日本旅客鉄道、川崎発電所です。
輸送人員や輸送人員キロで世界最大、運輸収入でも世界一のドイツ鉄道と肩を並べるほどの鉄道会社である同社が所有する川崎発電所は1930年に運用を開始した歴史ある発電所ですが、順次設備のリプレースが行われ、2021年の1号機リプレースで全て燃料がLNG(2号機は都市ガス)のコンバインドサイクル発電方式となりました。将来的には水素の活用も計画されています。
今回の見学会は、鉄道会社唯一の発電所とのご説明があった同発電所の火力発電設備と中央制御室を見学させていただきました。
中央制御室では、連系している東京電力との需給上の役割分担、同社の上位給電指令所と当発電所中央制御室との役割分担、当発電所発電機同士の役割分担など、通常知りえない情報をお聞きすることができ、発電所では運転中の発電設備の熱や振動、においなどを間近に体感することができたと共に、煙突部からの眺望は汽力発電の機器配置を俯瞰するのに役立ちました。
学生からは「講義で学んだことを再認識し、より深く理解することができた。」「普段の研究活動では見学できないようなものを見ることができイメージが明瞭になった。」「火力タービンだけでなく、その複合サイクルに必要な冷却用海水の流れや煙突の規模を実感できた。」などの感想が寄せられ、とても興味深く受け止められたようです。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった東日本旅客鉄道殿に深謝申し上げます。
東日本旅客鉄道 川崎発電所 正門前にて
開催日 2023年11月27日(月)
見学先 日本ガイシ株式会社 小牧事業所
参加者 学生11名、教職員(引率者含む)8名
引率者 藤井特任教授、馬場教授、佐藤准教授、梅本特任准教授、岡部上席研究員、吉田ATC
2023年度第5回の見学先は日本ガイシ株式会社、小牧事業所です。
同事業所内には、電力技術研究所、碍子博物館、碍子工場、NAS電池工場があり、一度に見学させて頂くことができました。
電力技術研究所にはがいしの耐電圧特性やフラッシオーバ―電圧特性を評価するための150万ボルト交流高電圧発生装置や360万ボルト雷インパルス電圧発生装置、230万ボルト開閉インパルス発生装置があり、実際にフラッシオーバ―を再現していただくことで、閃光や音を体感することができました。
碍子博物館はアンティークな建物と工芸品のごとく美しい碍子とが調和しており、温もりを感じる空間でした。
がいし工場では、素材の調合、成形、加工、試験といった一連の流れを詳しく説明頂きました。工程ではロボットが随所に導入されており、生産性を高める努力をされていることが分かりました。
NAS電池工場では、各部材から電池が出来るまでの工程を余すところなく丁寧に説明頂き、各段階の実物サンプルにも触れることができました。当工場も自動化が推進されており、電池が絶え間なく生産されている様子を見て需要の大きさをうかがい知ることができました。
対応頂いた所員の方々からは製品への愛情とプライドが感じられ、学生も社会を支えるものづくりへの関心が高まったことと思います。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった日本ガイシ株式会社殿に深謝申し上げます。
日本ガイシ 小牧事業所 NAS電池前にて
東芝エネルギーシステムズ株式会社 見学会 (2023/11/14)
開催日 2023年11月14日(火)
見学先 東芝エネルギーシステムズ株式会社
浜川崎工場
参加者 学生6名、教職員(引率者含む)3名
引率者 藤井特任教授、梅本特任准教授、吉田ATC
東芝エネルギーシステムズ
浜川崎工場 展示ホールにて
2023年度第4回の見学先は東芝エネルギーシステムズ株式会社、浜川崎工場です。
同工場は1962年に創業し、電力の送配電に欠かせない、開閉装置や変圧器、避雷器などの送変電機器の開発・製造を行っています。
開閉装置工場では、GIS設備の進化の過程や遮断器の内部構造について詳しく教えていただき、実際の組立の様子も見せていただきました。
変圧器工場では、鉄心や巻線の生成、組立、乾燥といった工程について順を追って実物を見ながら説明していただきました。
避雷器工場では、その役割や歴史、素子の素材や形成方法について詳しく教えていただきました。
高電圧・大電力試験棟では600万ボルトインパルス発生器や230万ボルト交流試験設備、100万ボルト直流試験設備など世界的にも有数の設備を見せていただき、海外の直流送電プロジェクトに向けた製品の試験も行われていることも教えていただきました。
学生には、製造の現場としてあらゆる面で規模が大きく、その一方で、人の手をかけて精密に製品を仕上げていることが印象的であったようです。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった東芝エネルギーシステムズ株式会社殿に深謝申し上げます。
電源開発株式会社 奥清津第二発電所等見学会 (2023/10/30)
開催日 2023年10月30日(月)
見学先 電源開発株式会社 奥清津第二発電所等
参加者 学生20名、教職員(引率者含む)8名
引率者 熊田教授、藤井特任教授、馬場教授、佐藤准教授、梅本特任准教授、吉田ACT
2023年度第3回の見学先は電源開発株式会社、奥清津第二発電所です。
奥清津発電所は上下二つのダム、カッサダムを上池、二居ダムを下池として、その間の有効落差470mを利用することで、最大160万kWの発電を行なっています。
会議室で、同揚水発電所の概要や役割について教えて頂いた後、田代ロープウェイで上ダムのカッサダムを目指しました。奇しくも紅葉の季節であり、鮮やかに色づく山々と静かにたたずむエメラルドグリーンの二居ダムを目出ることができました。
頂上はあいにく濃霧が立ち込めており、数メートル先のものが判別できない状況でした。自然の前では無力であるということを思い知ることができました。
らくらくリフトと田代ロープウェイで戻り、次に二居ダムへ。高さ87mのロックフィルダムと発電所の外観を観察することができ、水力発電ダムの雄大さを感じることができました。
最後に発電所に関する展示ルームや体験施設を併せ持ったミュージアム「OKKY」へ。今回は工事中ということで、実物の設備を間近に見ることは出来ず、展示ルームのみの見学となりました。是非次の機会に伺いたいと思います。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった電源開発株式会社殿に深謝申し上げます。
電源開発、二居ダムにて
霧に浮かぶ鉄塔
開催日 2023年9月11日(月)
見学先 富士電機株式会社 川崎工場
参加者 学生5名、教職員(引率者含む)9名
引率者 熊田教授、藤井特任教授、佐藤准教授、梅本特任准教授、吉田ATC
2023年度第2回の見学先は富士電機株式会社、川崎工場です。
川崎工場は同社発祥の地であり、発電機、タービンの製造及び、火力・地熱発電プラントの設計等を行っている発電プラント事業の中核となる工場で、その製品は世界各国に納入されています。なかでも地熱発電設備は世界シェアの約40%を占め、世界トップとのことです。
同工場はとても広く、JR鶴見線を挟んで発電プラントの部品を製造する地区と組立・品質保証試験を行う地区があり、出来上がった製品(試験後に解体します)は、隣接する運河から東京湾、そして世界へ輸出されていくとのことでした。
タービンの製造工程では、非常に精度の高い旋盤、面加工の設備や、熟練技術者がハンマーによる手作業で行うタービンローターの溝加工後(ブレード埋め込み、5,000枚超/1台)の状態を見せて頂き、多様化するニーズに応える職人さんの洗練された技、匠の世界をうかがい知ることができました。
発電機の固定子、回転子の製造工程も見せていただき、400トンクレーンが必要となる巨大な部品を製作・加工し組み立て・試験する生産ラインが、いかに物を動かさずに作れるか、という効率化の精神のもとに工夫されていることが良く分かりました。
質問も活発になされ、見学後には「実際に発電所で利用されている発電機やタービン等の製造工程を見学するという貴重な体験」、「高性能な発電のため、マイクロメートルオーダの工作精度で部品を製造しつつも、人力で組み立てる必要があるということから製造の難しさを感じられた」といった感想が聞かれるなど、非常に充実した見学会となりました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった富士電機株式会社殿に深謝申し上げます。
富士電機、川崎工場 使用済みタービン前にて
開催日 2023年7月19日(水)
見学先 株式会社東光高岳 蓮田事業所
参加者 学生10名、教職員(引率者含む)8名
引率者 藤井特任教授、馬場教授、佐藤准教授、梅本特任准教授、吉田ATC
2023年度第1回の見学先は株式会社東光高岳殿、蓮田事業所です。
第一地区の研修棟で会社の沿革について教えていただいた後、展示室で提供されている商品(6kV柱上用センサ内蔵自動開閉器、同制御器、6kV変圧変流器などの配電用の主要設備や、風力発電設備用雷電流計測装置、一括受電マンション向け自動検針システム、設備消費電流計測システムといった遠隔での計測用システム、また島嶼やローカル系統の需給を調整するEMSなど需要側のマネジメントシステムなど)について間近に見ながら説明していただきました。
開閉器製造工場では、6kV柱上用センサ内蔵自動開閉器やセンサ内蔵自動気中多回路開閉器などが、混流生産ライン(1つの生産ラインに複数の品種を混ぜて流す生産形態)で、チェックシートとともに、工数、時間管理が厳格になされつつ、効率的に生産されている様子をうかがい知ることができました。また自動気中開閉器の内部構造・機構を動作させながら観察することが出来ました。
システム製造工場では、自動開閉器用遠方制御器などの製造、温度試験、仕上げ(ケーブル取り付け、銘板取り付け、外観検査、段ボール梱包)を工程に沿って説明いただきました。試験は結果が改ざんされる余地がないよう、試験成績書作成まで自動で行っており、内部統制に力を入れていることが見て取れました。
モールド製造工場では、モールド変成器におけるエポキシ樹脂の成形過程と巻線の施工過程について説明いただきました。金型を効率よく使用して経費を節減していることや、ほぼ手動でテンションを維持しつつ4万ターン銅線を巻く作業があることなど、興味深い説明をいただくことが出来ました。
質問も活発になされ、見学後には「知識として知っていたものを実際に目にすることができて大変参考になった」、「携わる領域の幅広さに驚いた」といった感想が聞かれるなど、非常に充実した見学会となりました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった株式会社東光高岳殿に深謝申し上げます。
東光高岳、蓮田事業所 展示室にて
*なお蓮田事業所では、地域に無料でEV充電器を開放し、EVの普及促進に貢献しています。
開催日 2023年1月23日(月)
見学先 東海旅客鉄道株式会社 西相模周波数変換変電所
参加者 学生13名、教職員(引率者含む)7名
引率者 熊田教授、馬場教授、佐藤准教授、Wang特任助教、吉田ATC
東海旅客鉄道、西相模周波数変換変電所 回転型周波数変換装置前にて
2022年度第6回の見学先は東海旅客鉄道株式会社殿、西相模周波数変換変電所です。東海道新幹線は、全線にわたって周波数60Hzの電気によって列車を走行しているため、富士川以東の地域では、電力会社から受電した周波数50Hzの電気を周波数変換変電所で60Hzに変換して使用しています。
今回見学させていただいた西相模周波数変換変電所はこの周波数の変換装置(FC)を3ユニット有しており、そのうち1ユニットは、回転型FCから省エネルギー性や省メンテナンス性に優れる静止型FCに更新済みという、新旧タイプ混在の非常に稀有なタイミングで見学することができました。
電動機と発電機が直結した回転型FCは大規模な火力発電所の発電機と遜色ないほど大きく、1964年から運用されていることから、開閉器、補器、建物含め、全体的にかなり年季が入っており、保守に携わる方々のご苦労を推し量ることができました。
タイプの違うユニット間の分担や、他の周波数変換変電所との協調など、システムの運用は継続的に改善がなされていることなどを教えていただき、電気系工学出身の皆様のご活躍を確認することもできました。
質問も活発になされ、見学後には「電気は目に見えないが、周波数変換装置の音と振動、冷却装置から、新幹線を動かす大きなパワーを体感することができた」、「静止型FC導入への経緯や課題、今後の方針など様々な理解が深まった」といった感想が聞かれるなど、非常に充実した見学会となりました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった東海旅客鉄道株式会社殿に深謝申し上げます。
日立製作所 水戸事業所、大みか事業所、日立研究所 見学会報告 (2022/12/15)
開催日 2022年12月15日(木)
見学先 日立製作所殿 水戸事業所、大みか事業所、日立研究所
参加者 学生13名
引率者 熊田教授、佐藤准教授、吉田アカデミックチーフコーディネーター
日立製作所水戸事業所 展示機関車前にて
2022年度第5回の見学先は株式会社日立製作所殿、水戸事業所、大みか事業所、日立研究所です。水戸事業所では、鉄道車両駆動電気品の組立ラインや新車両総合試験の様子を見学させていただきました。それぞれ整然とシステマチックに運営されつつも静かな熱気に包まれており、広く世界で受け入れられている鉄道製品製造の核心を垣間見ることが出来ました。
大みか事業所では鉄道運行管理システム、電力系統安定化システム、電力パワーエレクトロニクスアナログシミュレータについて見学させていただきました。鉄道や電力といった基幹社会インフラの効率化、高度化が着実になされていることが分かりました。また海外の電力系統の運用最適化に取り組まれているプロジェクトもあり、脱炭素など社会貢献をグローバルになされていることを知りました。
日立研究所では、材料、IoT、医療機器など幅広く取り組まれている多くの研究の概要を紹介いただきました。時間が少なく駆け足でのご説明、質疑となってしまいましたことをお詫び申し上げます。
いずれの場所でも学生から活発に質問がなされ、見学後には、「非常に幅広く研究されており、様々な分野の研究成果が連携しているという印象を受けた」、「社会貢献に取り組んでいると感心した」といった感想が聞かれるなど、非常に充実した見学会となりました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった株式会社日立製作所殿に深謝申し上げます。
開催日 2022年11月15日(火)
見学先 電力中央研究所 横須賀地区
参加者 学生11名
引率者 藤井特任教授、八太主幹研究員、 Wang特任助教、吉田ATC
電力中央研究所 横須賀地区 新本館にて
2022年度第4回の見学先は電力中央研究所殿です。今回の見学会では、横須賀地区を見学させていただきました。
横須賀地区には発電に関する研究・開発を行うエネルギートランスフォーメーション研究本部と電力ネットワークに関する研究・開発を行うグリッドイノベーション研究本部が設置されており、発電の脱炭素化、電化社会の実現、電力の安定供給を主要テーマに基礎から実用化に至る幅広い研究に取り組まれています。
はじめに電力中央研究所並びに横須賀地区の概要をご紹介いただいた後、高電圧絶縁試験棟、IoT関連実験設備、配電需給協調実験棟、雷計測設備「LENTRA」、大容量電力短絡試験設備を見学させていただきました。
学生からは「大規模な試験場を見学させていただきそのスケールに驚かされるとともに、普段我々が当たり前だと感じていたインフラとしての電力技術も緻密な研究や試験のもとに成り立っていることを再認識することができました。」や、「説明してくださった方々が生き生きと話していらしたのも印象的でした。」といった感想が聞かれるなど、大変有意義な見学会となりました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった、電力中央研究所殿に深謝申し上げます。
開催日 2022年10月17日(月)
見学先 東京電力リニューアブルパワー株式会社 銚子沖洋上風力発電所
参加者 学生21名
引率者 熊田教授、馬場教授、佐藤准教授、Wang特任助教、吉田ATC
2022年度第3回の見学先は東京電力リニューアブルパワー殿です。今回の見学会では、銚子沖洋上風力発電所を見学させていただきました。
まず銚子マリーナの会議室で、同社の事業の概要や、実証研究の内容について説明いただきました。国内着床式洋上風力発電公募に向けた戦略や先の入札の状況など貴重なお話もお聞きすることができ、待望される洋上風力であっても事業者は厳しい競争環境に置かれていることを認識することができました。
その後、船により海上で風車と観測タワーを間近に観察し、写真では把握できない設備の大きさを確認すると共に、船長さん曰く「穏やか」な波であっても、それなりに身体に影響があったことから、建設や維持等においては過酷な現場であるということも体感できました。
またケーブルの陸揚げ地点や変電所も確認でき、プラントの全体像を把握できました。
皆様丁寧に対応して下さり、再生可能エネルギーの理解を深める大変有意義な見学となりました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった東京電力リニューアブルパワー殿、東京電力ホールディングス株式会社殿に深謝申し上げます。
東京電力リニューアルパワ株式会社
銚子沖洋上風力発電所周辺にて
開催日 2022年9月12日(月)
見学先 関西電力送配電株式会社 中央給電指令所、配電用変電所
参加者 学生16名
引率者 熊田教授、馬場教授、佐藤准教授、Wang特任助教、吉田ATC
関西電力株式会社にて
22年度第2回の見学先は関西電力送配電株式会社殿です。今回の見学会では、中央給電指令所とビル地下の配電用変電所を見学させていただきました。
見学に先立って関西電力株式会社殿より、グループ全体の事業概要についてご説明いただき、様々な事業分野で挑戦されていることを教えていただきました。
続いて中央給電指令所では、同所の役割についての説明と、特に需給、周波数調整に関して詳しく解説いただき、次いで指令室の見学では、体制や監視盤の表示、他所との連携等について丁寧に説明いただきました。
その後関西電力殿より、発電、小売バランシンググループ側の業務概要についても説明いただいたことから、電力供給の発電から供給まで全体を俯瞰することが出来ました。
ビルの地下にある配電用変電所では、ガス絶縁された開閉器、変圧器や保護継電器、操作盤、配電用開閉装置、冷却系統、通信端末などを余すところなく目近に観察させていただき、学生各々の研究にあたって具体的なイメージを持つことが出来ました。
皆様とても真摯に対応して下さり、和やかな雰囲気の中、密度の濃い内容で、あっという間に時間が過ぎました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった関西電力株式会社殿、関西電力送配電株式会社殿に深謝申し上げます。
開催日 2022年7月15日(金)
見学先 株式会社明電舎 沼津事業所
参加者 学生15名
引率者 藤井特任教授、馬場教授、吉田アカデミックチーフコーディネーター
株式会社明電舎 沼津事業所 にて
2022年度第1回の見学先は株式会社明電舎、沼津事業所です。今回の見学会では、変圧器ユニット、スイッチギヤユニットの各製造工場、実運用中の特高変電所、ICTを用いた体験教育を展開する「Manabi-ya Digital Zone」を見学させていただきました。
製造工場では各製造工程について詳しく説明頂いた後、機器内部の構成部品や組立て作業を確認した後、実際に受電、変電、配電を行う特高変電所にて機器の使用状況について説明頂きました。
技術研修センター2階の「Manabi-ya Digital Zone」においては、ICTを用いた体験教育を展開、機器の3Dモデルで学習を行うAR教育や、3軸シミュレータでのVR安全体感教育があり、メンテナンス作業や事故を疑似体験させて頂きました。機器の品質のみならず、メンテナンスサービス等においても、高い品質と安全でお客さまの安心に応えるため、新しい技術を最大限取り込みつつ、信頼される現場技術者を育て、強化していくという意気込みが感じられました。
電力インフラ事業の今を学ぶことができ、活発な質疑を伴って、非常に充実した見学会となりました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった株式会社明電舎殿に深謝申し上げます。
開催日 2021年12月15日(水)
見学先 東京電力パワーグリッド株式会社 新信濃変電所
参加者 学生 17名
引率者 馬場教授,佐藤講師、汪助教、河合アカデミックチーフコーディネーター
東京電力パワーグリッド株式会社 新信濃変電所にて
2021年度の第2回見学会を開催しました。見学先は東京電力パワーグリッド株式会社新信濃変電所です。
新信濃変電所は、長野県内の大規模揚水発電所と500kV送電網とを繋ぐ変電所であるとともに、周波数変換設備を通じて50Hzの東日本の電力系統と60Hzの西日本の電力系統を繋ぐ広域融通拠点でもあります。
今回の見学会では、まず、送配電事業の大きな環境変化と諸課題についての解説、周波数変換設備の解説を行い、その後、2021年3月31日に運用を開始したばかりの飛騨信濃周波数変換設備をはじめとした一連の周波数変換設備を中心に設備の見学を行いました。
学生からも終始活発な質疑が行われ、送配電事業に関する俯瞰した知見が得られた非常に充実した見学会となりました。このような貴重な見学の機会を与えて下さった東京電力パワーグリッド株式会社殿に深謝申し上げます。
開催日 2021年年12月13日(月)
見学先 住友電気工業株式会社 大阪製作所
参加者 学生 8名
引率者 熊田教授,佐藤講師、河合アカデミックチーフコーディネーター
住友電気工業株式会社大阪製作所にて
新型コロナウイルスの感染拡大の勢いが一息ついた12月、感染防止対策に十分配慮の上、2021年度第1回見学会を開催しました。見学先は住友電気工業株式会社(以下、住友電工)大阪製作所です。
大阪製作所は大阪市の西部に位置し、住友電工でもっとも古い歴史と伝統を持つ製作所で,電線・エネルギー関連製品やシステム製品の製造に加え,研究開発部門の拠点として新規事業を次々と生み出している事業所です。
会社概要及び直流ケーブルの技術動向についてご紹介いただき、電力ケーブル工場及び、レドックスフロー電池の長期性能試験場、HEMSシミュレーション実験室、材料解析室などを見学しました。
レッドクスフロー電池については、電池の原理・特徴および風力発電・太陽光発電の変動平滑化などに対する検証試験の状況や用途など、研究開発の最新状況をご説明いただいたうえで、実際に稼働している電池試験設備を見学しました。容量(電解液タンク)と出力(スタック)を独立して設定でき、また、セルを増やしていったときの分担平滑化が容易な点など、再度注目を集めているようです。
電力ケーブル工場では、OF・XLPEケーブルの構造・特徴についてご説明いただき、XLPEケーブルの製造ラインを見学しました。併せてドイツの送電線への納入に向けて課電試験中の±525kV直流XLPE絶縁ケーブルの様子や、さらには、固体材料の内部を探る解析装置群も見学しました。
自動車業界へのコネクション、レドクッスフロー電池の技術と、そして電力システムを支えるケーブル技術をベースに、新たな広範な分野へ広がっていく会社の取り組みについても解説していただき、学生たちも興味深くお話を伺っていました。
感染者数もおちついた隙間をぬってのほぼ2年ぶりの見学会でした。卒論生や修士1年生など、初めての産業界の工場を見学したという参加者も多く、スケール感に圧倒されていました。百聞は一見にしかずという単語をあらためて噛み締めた見学会でした。このような貴重な見学の機会を与えて下さった住友電気工業株式会社殿に深謝申し上げます。
開催日 2020年11月26日(木)
見学先 日本ガイシ株式会社 小牧事業所
参加者 学生10名
引率者 横山教授,河合アカデミックチーフコーディネーター
日本ガイシ株式会社小牧事業所にて
新型コロナウイルス感染防止のため実施を見合わせておりましたAPET学生見学会ですが、ご協力いただく見学先と協議の上、感染防止対策を十分配慮し、去る11月26日に2020年度の第1回見学会を開催しました。
見学先は日本ガイシ株式会社小牧事業所です。
小牧事業所は、1962年に懸垂ガイシ工場完成、1968年に小牧超高圧研究所(現電力技術研究所)が竣工し、懸垂ガイシの供給を開始しました。ガイシ以外には、1971年からハイセラム(透光性アルミナ)1994年からプリンター用セラミックス、2003年からDPF(ディーゼル車用排ガス浄化フィルタ)を生産しています。NAS電池工場は、2003年に量産工場が完成、2010年には部品製造工場を増設し現在に至っています。
今回の見学会では、NAS電池工場、電力技術研究所の交流・直流高電圧試験設備、碍子博物館を見学させていただきました。NAS電池工場では、自動化されたNAS電池の製造工程について、間近で見学させていただき、高電圧試験場では、新たに導入された3600kVインパルス発生装置について見学しました。碍子博物館では、黎明期から現代に至る様々なガイシの実物を見ながらガイシの歴史についてご解説いただきました。開発・製造の現場の技術者ならではのお話しから、将来を見通して技術を育成するという企業文化についてのお話まで、多岐にわたる非常に興味深いお話を伺うことができ、非常に充実した見学会となりました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった日本ガイシ株式会社殿に深謝申し上げます。
開催日 2020年01月22日(火)
見学先 富士電機株式会社 千葉工場
参加者 学生7名
引率者 熊田教授、藤井特任教授、馬場准教授、谷口上席研究員、河合アカデミックチーフコーディネーター
2019年度第5回の見学先は富士電機株式会社千葉工場です。
千葉工場は、1962年の設立以来、富士電機の電力関連事業の中核として、電力会社や産業分野向けの送変電、受配電機器およびパワーエレクトロニクス応用電源装置を開発・製造しています。
今回の見学では、変圧器、モールド変圧器、開閉装置、変換装置、船舶用SOxスクラバ等について見学しました。
会社および製品の概要を解説いただいた後、工場のラインを見学させていただきました。ユーザーのニーズに合わせ、熟練の技術で一品一品製品を作り上げていく様はとても印象的でした。併せて、自分たちの持っている技術を全く違う分野に適用することで大きな技術革新を果たした事例についてもご紹介いただき、技術者としての醍醐味を感じることが出来ました。見学後の質疑応答の時間には、参加者から活発に質問もなされ,非常に充実した見学会となりました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった富士電機株式会社殿に深謝申し上げます。
富士電機株式会社 千葉工場にて
開催日 2019年12月10日(火)
見学先 株式会社東芝 府中事業所 府中エネルギーシステムソリューション工場
参加者 学生14名
引率者 熊田教授、藤井特任教授、馬場准教授、谷口上席研究員、河合アカデミックチーフコーディネーター
2019年度第4回の見学先は株式会社東芝府中事業所府中エネルギーシステムソリューション工場です。
府中事業所では、東芝グループにおけるエネルギー事業、交通事業、放送・通信事業、水・環境事業など社会インフラ事業に関する研究開発、生産業務を行っています。
今回の見学では、水素エネルギー研究開発センター、電力系統監視制御システムや電力用リレーの製造部門を見学しました。水素エネルギー研究開発センターでは、再エネ由来の水素エネルギーシステムについて、水素の製造~貯蔵~発電の一連の流れを、詳細な解説をいただきながら、稼働している実機の見学をさせていただきました。電力系統監視制御システム、電力用リレーについては、システムについての解説をいただきながら、製造中のシステムを見学させていただきました。大きく変化しつつあるエネルギー関連分野の今、そして未来を垣間見ることができ、学生たちからは活発に質問がなされ,非常に充実した見学会となりました。このような貴重な見学の機会を与えて下さった株式会社東芝殿に深謝申し上げます。
開催日 2019年11月27日(火)
見学先 東日本旅客鉄道株式会社 JR東日本研究開発センター
参加者 学生17名
引率者 横山教授、藤井特任教授、谷口上席研究員、河合アカデミックチーフコーディネーター
2019年度第3回の見学先は東日本旅客鉄道株式会社 JR東日本研究開発センターです。
JR東日本研究開発センターは、JR東日本グループを取り巻く環境の変化に迅速・的確に対処するため、研究開発組織を集中・強化し、2001年12月に設立されました。JR東日本研究開発センターでは、役割・使命に応じた6つの研究開発組織を配置し、有機的な連携を図って研究開発を進めています。
今 回の見学会では、まず、技術開発中長期ビジョンや個別の検討課題についてご紹介いただき、その後、各実験棟で様々な実験設備や実験の内容についてご紹介いただきました。車両の各部材やそれらを組み合わせた状態での総合評価、線路や高架等の構造物、駅構内の設備等、鉄道事業に関するあらゆる分野の実験・評価ができる各種実験設備を見学することができ、学生たちからは活発に質問がなされ,非常に充実した見学会となりました。このような貴重な見学の機会を与えて下さった東日本旅客鉄道株式会社殿に深謝申し上げます。
東日本旅客鉄道株式会社
JR東日本研究開発センターにて
開催日 2019年9月11日(水)~12日(木)
見学先 住友電気工業株式会社 大阪製作所(11日午後)
三菱電機株式会社 伊丹製作所(12日午前)
関西電力株式会社 神崎変電所(12日午後)
参加者 学生15名
引率者 熊田教授,藤井特任教授,馬場准教授、河合アカデミックチーフコーディネーター
2019年度第2回の見学先は,住友電気工業株式会社大阪製作所,三菱電機株式会社伊丹製作所,関西電力株式会社神崎変電所です。
(1)住友電気工業株式会社 大阪製作所
住友電気工業株式会社 大阪製作所では,会社概要についてご紹介いただき、レドックスフロー電池の長期性能試験場、超電導線材検査工程、銅荒引線製造工程等を見学させていただきました。
見学に先立って、対象の製品や工程についての概要をご説明いただいてから実物を見学しました。事前にご説明いただくことで、見学する際の設備の理解がより深くなり、質疑もより深く交わされていました。
広範な分野へ広がっていく会社の取り組みについても解説していただき、学生たちも興味深くお話を伺っていました。
住友電気工業株式会社
大阪製作所にて
(2)三菱電機株式会社 伊丹製作所
三菱電機株式会社 伊丹製作所では,製作している製品概要について解説をいただいた後、ガス絶縁開閉装置や直流送電機器の製造工場、環境試験室や高電圧試験所等の試験・評価施設、先端技術総合研究所の研究設備を見学させていただきました。
系統変電システム製作所のショールームでは,ガス絶縁遮断器やガス絶縁開閉装置等が展示されており,機器を間近に見ながら、解説いただくことで、機器の構造や仕組みの理解を深めることができました。各製造工場では、製造途中の機器を見ながら、技術の進歩についても解説いただきました。各試験・評価施設では、試験の規模や評価する製品がエリア的にも種類的にも広範に亘ることを伺うことができ、取り組みの範囲の大きさを知ることができました。
三菱電機株式会社
伊丹製作所にて
(3)関西電力株式会社 神崎変電所
関西電力株式会社 神崎変電所では,変電所の系統構成、設置されている自励式静止形無効電力発生装置(SVG)の機能や設備概要等についてご説明をいただいた後、変電所の制御室、ガス絶縁開閉装置、SVG等の変電所構内設備の見学をさせていただきました。
154kV、77kV、22kV、6.6kVと多様な電圧で地域の電力需要に対応していること、小容量発電機廃止に伴い、電圧安定性維持のため、SVGを導入したこと、変電所の運転の仕組み、保護装置の構成など、設備の解説だけでなく、電力を安定に供給する考え方についても学ぶことができました。
関西電力株式会社
神崎変電所にて
開催日 2019年7月30日(火)
見学先 電源開発株式会社 下郷発電所・郡山布引高原風力発電所
参加者 学生23名
引率者 横山教授、熊田教授、藤井特任教授、馬場准教授、谷口上席研究員、河合アカデミックチーフコーディネーター
電源開発株式会社 下郷発電所にて
電源開発株式会社 郡山布引高原風力発電所にて
2019年度第1回の見学先は電源開発株式会社 下郷発電所・郡山布引高原風力発電所です。
下郷発電所は、小野川の大内ダムを上池、阿賀野川水系阿賀川(大川)の大川ダムを下池とし、この間で得られる有効落差約400mを利用して最大出力100万kWの発電を行う純揚水式発電所です。昭和63年4月、平成3年6月にそれぞれ50万KW(25万kW×2台)づつ運用開始しました。大川羽鳥県立自然公園の中に位置しており、発電所、導水路等の構造物は極力地中に埋設し、環境保全を図っています。下郷展示館にて発電所やダムの概要について解説いただき、地下の発電所も見学させていただきました。当日朝まで揚水運転を行っていたとのことで、下池の大川ダム側は、低水位になっていましたが、再生可能エネルギーの普及に伴い、電力需要の少ない時期には、日中に揚水運転を行うこともあるといった運用している場所の生のお話を伺うことができ、学生たちも興味深く意見交換をしていました。
郡山布引高原風力発電所は、猪苗代湖の南に広がる標高1,000mを超える布引高原に位置する国内最大級のウインドファームです。33基の風車発電機を備え、発電所出力は65,980kWです。2007年2月に営業運転を開始しました。高原野菜等を栽培する畑に点在して発電機が配置されている発電所にて、発電所建設の概要、発電機の解説等をしていただきました。また、保管している予備の風車のブレードも見学させていただきました。風を効率よく受けるための風車の配置の考え方や、季節ごとの風の強さの変動に合わせて運用や点検時期を決める等のお話を伺え、こちらでも学生たちが興味深く意見交換をしていました。
どちらの発電所でも学生から活発に質問がなされ,非常に充実した見学会となりました。
このような貴重な見学の機会を与えて下さった電源開発株式会社殿に深謝申し上げます。